2014年11月18日火曜日

金沢で出会った、古き良き時代の“思い”をつなぐ骨董たち。

慎太郎ママの好きな町の一つが、金沢。
ある日、いつものように金沢の町を訪れ、
日本一の鮨として名高い「小松弥助」さんでおいしい昼食をいただいた後、
コーヒー屋さん探しの散策をしようとすると……
近くになにやら妖しいお店を発見。
味わい深い器がうずたかく積まれた店構えに、
器好きの慎太郎ママの第六感が激しく反応したのです。


そのお店の名は「古器観」。
店主の東さんは、もともと古い九谷焼のコレクターだったそうですが、
5枚や10枚単位でしか揃えられない「コレクション」としてではなく、
1枚でも2枚でも、日常の暮らしの中で大切に使えってもらえる「器」として
たくさんの人に楽しんでもらいたいという思いから、
お店を開かれたのだとおっしゃいます。



そう語る東さんを取り囲むように、店内にはところ狭しと
あったかい魅力を持つ素敵な器があふれていました。


「昔の職人さんが脇目も振らずに一生懸命つくった器たちには、
圧倒的な“迫力”があるんです。
職人さんが何を見て、何を感じ、何を考えながら描いたのか――
どこかしら感じさせるもの、伝わってくるものがあります。
そして、ただ飾られるだけではなく、
日常の暮らしの中でたくさんの人の手を経て大切に継がれてきた器には、
あったかい魅力があるんですよね。
例えば、傷のあるお皿が丁寧に金継ぎされていたり。
 器がつないでいく人の思いこそ、宝物。
私も大切に次の時代に伝えていきたいと思っています」



古い九谷焼の魅力を東京の方々にもぜひお伝えしたいという東さんの思いと
そのお人柄と素敵な器たちにほれこんだ慎太郎ママの思いが共鳴し、
神楽坂の「ギャラリー&カフェ 帝(MIKADO)」で
古器観さんの個展を開催させていただく運びになりました。

東京・神楽坂

『ギャラリー&カフェ 帝(MIKADO)』
http://utsuwa.co/store/


本歌『吉田屋』と大聖寺伊万里に思いを寄せて

金沢『古器観』 古道具展

「個展開催は、1122日(土)~25日(火)まで。



器から伝わる不思議な魅力を肌で感じていただきながら
古い九谷焼の持つ魅力について、東さんから直接お話を聞いてみませんか。

もしかしたら、あなたとの出会いを待っている“運命の器”があるかもしれません。

(おき)

2014年11月10日月曜日

唐津に行ってきました。

すっかり秋も深まってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
この秋は立て続けに台風がやってきて大変でしたが、
その合い間を縫って、唐津の作家さんを訪ねる旅へ出かけました。

その昔、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に
連れ帰った陶工たちの手によって始められたと言われる唐津焼。
現在も唐津にはたくさんの窯元があり、
いろいろな魅力を持つ唐津焼が日々生まれています。
今回は矢野直人さんの工房に訪れ、
「ギャラリー&カフェ 帝」に出展されている作品について
お話をお聞きしてきました。

絵唐津、朝鮮唐津、粉引唐津など、さまざまな種類がある中で、
矢野さんがとくに興味を持ち、研究されているのが「黒唐津」。
深みのある黒色、独特なマットな質感が美しい、存在感のある器です。
矢野さんの工房には、今からまさに窯の中に入り、
漆黒に焼き締められようとしている器がずらり。
李朝の洗練されたシンプルな美しさに、現代的なシャープなテイストを加え、
若い人にも使いやすいデザインに仕上げたと、語ってくださいました。



矢野さんが大切にしている、焼き物への思い。
一点一点を美しく仕上げるための、こだわりの技法。
語っていただいたお話は、こちら(http://utsuwa.co/personality/13104/)からご覧いただけます。



工房では、なんと器づくりの体験もさせていただいたんです。
ひんやりしたやわらかな土は、なんとも言えない、心地よい感触。
器づくりを実際に体験してみることで、
作家さんが細かな部分にまでどのような工夫をされているか、
というかどれだけ難しいかを感じた、
貴重なひと時でした。


「ギャラリー&カフェ 帝(MIKADO)」では、
1111日(火)まで開催される個展の後も、
引き続き矢野さんの作品を展示しています。
黒唐津とひと口に言っても、
色合いや深みなどが一点一点異なっていて、とてもおもしろいんです。

豊かな表情を見せてくれる作品に、どうぞ会いに来てくださいね。

2014年8月25日月曜日

地球にやさしい「蹴ろくろ」。実は、体には厳しいそうで……。

まだまだ暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
神楽坂はその名の通り坂道が続くのですが、
先日ふと坂の上から空を見上げると、群青色の空に一面の羊雲。
少しずつ、秋の気配が近づいているような気がします。

さて、いち早く秋が訪れる北海道で活動されている
作家・工藤さんにお聞きしたお話の第二弾が更新されました。

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工藤さんが器づくりに使われているのは、
電動のろくろではなく、
自分の足で回して使う「蹴ろくろ」というもの。
材料は地球からの“借り物”だと話す工藤さんが
地球の命の循環を感じられる、お気に入りの手法なのだそうです。

たかが、ろくろ。されど、ろくろ。
実は、何点も器をつくるうち、体への負担も重なり、
最後には、お尻の皮がむけてしまったのだとか……!
記事には掲載していませんが、
もっと他の部分にも「深手」を負ったのだのだそうです。
――さあ、どこだと思いますか?

来る911日~23日、工藤さんのうつわ展『ちいさな遊び』が
神楽坂「ギャラリー&カフェ 帝(MIKADO)」にて開催されます。
911日(木)と12日(金)には
工藤さんご本人もいらっしゃるので、

そのあたり、ぜひお聞きになってみてくださいね。